ITベンチャーの成長を支えるチャレンジ精神あふれる高知の土壌【株式会社Nextremer】
企業誘致に取り組む高知県への進出について、理由やメリット、今後の課題や目標を、2021年に高知本社を立ち上げた株式会社Nextremer様にお伺いしました。
企業概要と高知オフィス
Q:御社の企業概要と高知オフィスについてお聞かせください。
A:Nextremerは「データによって新たな価値を創出し、人の可能性を高め続ける」ことをミッションに事業を推進するITベンチャー企業です。2012年の創業当初より研究を重ねてきたAI技術(自然言語処理・画像認識技術)を用いたサービス提供を強みとしています。
展開している事業は大きく2つあります。
ひとつ目は、遠隔コミュニケーションの最適化やデータ価値の最大化を目指す「Remosis事業」です。オンライン接客サービスの開発・提供および、ユーザーの属性情報や利用データをAIで分析することで、お客様の課題解決に役立つデータの提供を行っています。
ふたつ目は、AIモデルの開発や機械学習に不可欠となるデータ提供を行う、「AIモデリング/データラベリング事業」を展開しています。弊社ではこれまでの実績を活かし、お客様のご要望に最適なアルゴリズムの実装と、データを生成するラベリングをワンストップでご提供しています。
また、現在は高知・東京の2本社体制(※)で業務を推進しています。高知本社には約20名のメンバーが在籍し、AIモデリングやデータラベリングに必要な学習データの設計・運用保守を実施、主軸事業の根幹となる業務を担っています。
※2023年3月に東京本社を閉鎖。現在は本社は高知のみ。
Q:全社での高知オフィスの位置付けはどのようなものでしょうか?
A:弊社は現在、高知本社と東京本社の2本社体制で運営しています。
地方進出の理由と高知県を選んだ決め手
Q:地方進出の経緯や、高知県を選んだ決め手についてお聞かせください。
A:2015年4月にNextremerの支社として高知AIラボを設立しました。翌年2016年8月には県の企業誘致制度を活用して子会社(dataremer)を設立。
そして今年2021年の8月、Nextremerが子会社を吸収合併すると同時に本店登記を高知に移転、高知AIラボ改め「高知本社」として新たなスタートを切りました。
もともと弊社代表の向井は高知県とは縁もゆかりもなかったのですが、拠点を高知に創ることになったのは、エンジニアが高知出身だったことがきっかけでした。東京本社で勤務していたエンジニアから地元に帰りたいという申し出があり、『優秀なエンジニアに退職されては困る!』と高知に拠点を設けました。
当時は全社員6名程度の小さな組織だったので、フットワーク軽く決断できたというのもあります。
事前調査を重ねて高知県を選んだ、という事ではありませんが、決め手として大きかったのは高知県の企業誘致に向けた手厚いサポート制度でした。その後子会社設立に踏み切れたのも、この制度の存在が非常に大きかったです。
地方進出のメリット
Q:高知県に進出して良かったことをお聞かせください。
A:ひとつ目として、多種多様な人財の存在が挙げられます。
東京一極集中が叫ばれて久しいですが、実は地方には様々な経験・スキルを持った人財が潜在的に存在しています。実務経験はなくとも自身が目指すキャリアに向かって挑戦する方、これまでにない新しい職種にチャレンジする方など、「挑戦する気概」を持つ方々との出会いが多くあり、彼らは弊社の成長を力強く支えてくれています。
もちろん、このような人財を獲得することは簡単なことではありませんが、引き続き積極的にアプローチしていきたいと考えています。
ふたつ目としては、高知県民の方々の『人柄』が挙げられます。県民の方々は豪快でおおらか、そして挑戦者を応援する気質があると感じています。
一見して実現不可能なことをすぐに諦めるのではなく、不可能を可能にするにはどうすればいいか、というマインドセットを持っている方が多いです。
我々のようなベンチャー企業にとって、挑戦をポジティブに受け止めてくれる土壌があることはとても有難い事でした。高知で事業を推進する中で成功も失敗も数多くありましたが、今も立地当初も変わらず心の支えとなっているのが、縁あって高知で出会った方達の存在です。
Q:全社での高知オフィスの位置付けはどのようなものでしょうか?
A:弊社は現在、高知本社と東京本社の2本社体制で運営しています。
高知のメンバー構成としては、前述のとおり多くが主軸の「AIモデリング/データラベリング事業」に携わっておりますが、人事採用といった管理部サイドの業務を担当しているメンバーも高知に在籍しています。
さらに現在すべてのエンジニアが在宅勤務を実施しており、拠点による業務の隔たりは全くありません。実質、他拠点と高知拠点において、位置づけにほとんど違いはなく、居住地に関わらずチームを組み同時並行的に業務を進めています。
今後も多種多様な人財を輩出していくべく、社内教育制度やキャリアパスの充実なども図っていきます。
今後の目標と高知県への期待
Q:今後の事業目標についてお聞かせください。
A:事業会社として我々が目指すことはミッションの体現です。
我々のサービス・プロダクトの提供を通じ「データによって新たな価値を創出し、人の可能性を高め続ける」こと、そして新たな産業を創造し、世の中に貢献したいと思います。
Q:自治体としての高知県へ今後期待することをお聞かせください。
A:事業がスケールするかどうか不確実な要素が多くとも、可能性を秘めた事業や新興企業の応援を続けてほしいと考えています。
これからもより一層そうした取り組みを実施していただくことで、新産業の中心となるような企業が高知から生まれたら、我々含め多くの地方スタートアップにとって大きな刺激となり、視座を高めることに繋がるのではと考えています。
チャレンジ精神あふれる高知の土壌
Q:地方進出を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
A:高知県には挑戦する人を応援してくれる土壌があります。
「ここから何かを興してやろう」という気概をお持ちの方は、是非とも高知県への進出をご検討頂ければと思います。我々にサポートできることがあればお気軽にお声がけいただきたいと思います。
まとめ
企業誘致に取り組む高知県への進出について、理由やメリット、今後の課題などを株式会社Nextremer様に伺いました。
高知県の企業誘致支援を十分に活用され、支社の設立に至ったとのお答えでした。
株式会社Nextremer様、ありがとうございました!
(2021年11月12日 投稿)
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