高知県への進出時の不安解消│他企業との交流や自治体職員の手厚い支援【株式会社シグナル】
企業誘致に取り組む高知県への進出について、理由やメリット、今後の課題や目標を、2019年に高知支社を立ち上げた株式会社シグナル様にお伺いしました。
企業概要と高知オフィス
Q:御社の企業概要と高知オフィスについてお聞かせください。
A:株式会社シグナルは、国内1位の総合PR会社ベクトルグループ内の子会社で、メディアやSNSなどを基軸に共感・シェア型のコミュニケーションを企画立案するインタラクティブPRカンパニーです。グループ内でも特にデジタルの部分に強みを持っているのが特徴となります。
また、高知支社については、2019年7月にオフィスが完成。始動してから2年が経ち、現在では、プレスリリースの作成を中心としたPRに関わる一部、Web制作や広告、SNSなどのクリエイティブ制作、運用の部分を担っております。
地方進出の理由と高知県を選んだ決め手
Q:地方進出の経緯や、高知県を選んだ決め手についてお聞かせください。
A:高知への進出前に、業務範囲が広くなっていること、世の中の流れが変わってきたこと、また、事業拡大にあたり東京にこだわる必要がなくなってきていることを感じていました。
そういった中で、東京のオフィスでなくてもできる仕事が今後も増えていくのであれば、地方に拠点を持った方がデメリットよりもメリットの方が大きいと判断しました。既に高知に進出していたオルトプラスさんと繋がりがあり、高知県や高知市の職員の方々をご紹介いただきました。
実は、地方進出にあたり、高知県以外に九州地方も候補に挙がっていたのですが、その中で高知県に進出することに決定した決め手は2点あります。
ひとつは人の温かさです。オルトプラスさんにご紹介いただいた県や市の職員の方々が、初めて地方進出する我々に対し、本当に親身になって相談に乗ってくださったので、仲間と思うことができたことが大きいです。
もうひとつは制度の部分です。高知県も高知市も非常に充実した支援制度が整っているので、懸念点の資金部分もさほど気にすることなく安心してスタートが切れそうだと感じました。
この2つが相まって、いくつかの候補地の中から高知に進出することに決めました。
地方進出のメリットと懸念点
Q:高知県で事業をおこなって良かったことをお聞かせください。
A:まずは、横とのつながりの部分ですね。高知県や高知市が積極的に企業誘致を行っていることもあり、立場が同じ東京から進出した企業同士のつながりを提供してくれるのが、特に進出直後はありがたかったです。
やはり本拠地から離れた場所で事務所を新設するとなると、わからない部分が多いですが、先に進出している企業の方が色々教えてくださったり、県や市の方も気を遣ってくださるので安心できました。
次に良かったなと思う点は、社内業務の部分です。これは高知県での事業に限った話ではなく、どこの場所も一緒かもしれませんが、物理的に距離が離れることで、役割分担が明確になる部分はあります。
高知オフィスのスタッフに任せられる部分はどんどん任せていくという形で、業務の切り出しを進めていますが、このやり方は東京でも役立っています。
またコロナ禍における、リモートワークの加速度的な普及により、東京でもリモートワークが進んでいるので、ここでも高知での実績が役に立っている気がします。
普段から高知と東京という離れた環境下において、日々試行錯誤しながら業務を行っているので、課題や解決策がすでに出ている場合があるからです。
最後に、弊社の業態においては、高知の文化的な側面もプラスに働いていると思います。
高知では、積極的にコミュニケーションをとる文化が特に強いのですが、PRという領域の事業ではコミュニケーションは非常に重要なので、文化風土的にもあっていると感じています。
Q:高知県への進出に際して、心配だったことや苦労したことはありますか?
A:これは現在進行形なんですけど、一番苦労しているのは採用と教育です。
弊社のような業種の企業が高知に少ないことや、もともと高知にゆかりもなく、伝手もなかったので、どうやって一緒に働いてくれる人を探したらいいのか?といったことから考えないといけませんでした。
ただ、高知県の方から地場の求人エージェントの方をご紹介いただいたり、高知求人ネットという県の媒体を活用していったことで、少しずつ採用につなげていくことができるようになりました。
また、教育の面に関しても、もともと東京と高知では、仕事に対する考え方も違うようだったので、両者のバランスをとるのに苦労しました。
高知県への期待
Q:自治体としての高知県へ今後期待することをお聞かせください。
A:高知県では人口の減少が進んでいますが、特に若い人は都会に出ることもあり、若年層の人口減少が顕著です。若いうちに一度は地元から離れたいと思うことがあっても良いと思っていますし、若い人がそう思うこと自体は仕方がないとも思います。
大事なのは出て行った人たちが成長して帰ってくる場所があることかな、と考えています。 自治体に期待したいのは、帰ってきたいと思わせるようなまちづくり、環境づくりの部分です。
自治体の方々が作ってくださった高知県に帰ってきたいと思う人たちの受け皿に、弊社のような企業がなれたら最高だなって思います。
高知県の手厚い支援で不安解消
Q:進出を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
A:コロナ禍でリモートでの仕事が進んだこともあり、必ずしも首都圏でオフィスを拡大する必要がなくなったと考えていらっしゃる企業さんも多いかと思います。
高知県庁、高知市役所の職員の方々が温かく支援してくださいますし、すでに進出していらっしゃる各企業さんとの横のつながりもあるので、孤立することもなく、運営上で困ったことがあっても、色々助けていただけます。
また、高知県は自然豊かな場所で、食べ物はおいしくて、首都圏にありがちな満員電車地獄がありません。
色々お話ししましたが、要するに高知は地方移転するのに非常に良い環境が整っていますので、現在ご検討されている企業さんは、ぜひ一度自治体の方々とお話ししてみてはいかがでしょうか。
まとめ
企業誘致に取り組む高知県への進出について、理由やメリット、今後の課題などを株式会社シグナル高知オフィス様に伺いました。
高知県の人の温かさと、充実した支援制度が、地方移転の決め手となったとのこと。
株式会社シグナル様、ありがとうございました!
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(2021年8月26日投稿)
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