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高知進出の条件│メタバースイベントを手掛けるIT企業の場合【monoAI technology】

高知市の中心部に位置する「帯屋町商店街」。高知の有名な観光名所「ひろめ市場」があり、夏には「よさこい祭り」の踊り子の舞台になります。 周囲には学校やオフィスビルも多く立ち並び、昼はランチ、夜は居酒屋で賑わいます。

そんな商店街の中心にオフィスを構える、monoAI technology株式会社の社長室 髙橋 健太さんにお話をお伺いしました。

企業概要と高知オフィス

Q:御社の企業概要と高知オフィスについてお聞かせください。

A:monoAI technology株式会社は、先進技術でエンタメと社会の未来を創造する会社です。

メタバースは人々に「今まで以上の安心」と「より広い繋がり」を提供することができる技術です。弊社では、元ゲーム会社として培ってきた最新技術を活かし、メタバース空間でライブや同人誌即売会等のエンタメイベントから、会社説明会、入社式等のビジネスイベントまで、幅広い分野を手掛けています。

メタバースは沢山の可能性を秘めており、これから確実に拡大を続けていく、今、最も注目されている業界です。

高知オフィスは2017年に株式会社AVOCADOとして発足し、2021年に親会社である現在の会社に吸収合併しました。AVOCADOの看板は愛着があるため
残したままにしています。


Q:他の支社にはない高知オフィスの強みはありますか?

A:発足当初から、新宿、神戸などとリモート業務をしてきた為、遠隔業務の為の技術やノウハウがあり、リモート作業でも問題なく仕事ができる環境です。拠点として、神戸本社、本社機能のある新宿支社、そして高知オフィスがありますが、オフィスによる業務の棲み分けはありません。

社員同士直接会ってコミュニケーションを取りたい思いもあるのですが、育児をしている社員から子どもの習い事や学校の送り迎えがしやすいという声などがあり、基本的には社員は在宅勤務をしています。

コロナ禍になる前は、高知に拠点を構えたIT企業の方たちと一緒に、体育館でフットサルをするなど仕事以外の場所で一緒に楽しんだりしていました。


Q:高知オフィスについて、お勧めのポイントを教えてください。

A:メタバースなどの最先端の仕事をしながら、オフはゆっくり過ごしたい、という方に向いていると思います。オフィスでのお気に入りの過ごし方は、屋上で空を見ながらリフレッシュすることです。

仕事が終わったら通勤ラッシュも無く、暮らしやすい生活環境に一瞬でワープするような、とても良い環境だと感じています。


地方進出の理由と高知県を選んだ決め手

Q:地方進出の経緯や、高知県を選んだ決め手についてお聞かせください。

A:いくつかの理由があります。
ひとつめに高知県から高知へオフィスを作って欲しいと2010年頃から言われていたこと。ふたつめに弊社の代表取締役である本城の知人からの紹介や、行政からの後押し。

また、何度か本城が高知県で講演をしていたご縁もあって、進出を考えていました。もともと、高知のゲーム会社と一緒に仕事をしていたことから、高知における人材市場も一定理解できており、事業リスクが少なかったことなどが決め手となりました。


地方進出の懸念点と解消法

Q:高知県への進出に際して、心配だったことや苦労したことはありますか?

A:特に大きな課題は無かったですが、強いて上げるなら、採用です。県外の色々な就職フェアに参加して、多くの方に応募もいただきました。

ただ、最初は中途社員ということで、即戦力となる方を求めていたこともあり、求めるレベルの方と出会うことが難しかったです。

2018年頃から高知県主催の「高知デジタルカレッジ」(※)内の講座の講師として、お声がけいただきました。結果、講座の中で受講者の方と知り合えるきっかけとなり、採用に繋がるなど、成果が出始めています。

今、働いている方もデジタルカレッジ経由で入社いただいた方が高知オフィス全体の4分の1ほど占めています。

(※)高知県が行っているデジタルやIT・コンテンツ関連の知識や技術を身につける一連の講座群


Q:地方への進出の際に苦労しそうなポイントがあれば教えてください。

A:情報は少し集めにくいとは思います。移住に関する情報、地方進出にあたっての支援制度など、別々のサイトに様々な情報が載っている状態なので、一から情報収集するとなると大変ですね。今後、改善されることを期待しています。

あとは、リモートで仕事をするとなった時にはセキュリティの問題も出てくると思います。特に弊社などゲームを取り扱う会社は、情報漏洩対策のため、セキュリティをより厳しくしないといけません。情報システムがしっかりしている会社のほうが進出しやすいと思います。


Q:「人材確保」「人材育成」について、それぞれ現状課題に感じていることや、工夫していることなどを教えてください。

A:人材確保については、何度か高知のテレビなどのメディア露出はさせていただいたのですが、まだまだ高知県内での知名度があまり無いことが課題と感じています。

工夫していることは、「高知デジタルカレッジ」の講座終了後、弊社に入社したいと言っていただいている方など、出来る限り受講生と連絡を取るようにしています。受講生の方が作った作品のフィードバック、質問への対応など、関係性を保つ工夫が重要だと考えています。

育成については、弊社では分からないことがあれば、社内で周りに聞ける環境にあると思います。今のメンバーは、講座の講師経験があるので、教え方が上手い人が揃っていると思います。


Q:他のオフィスとのコミュニケーションはどう取られていますか?

A:オンライン飲み会を全社に声をかけて月1回行っています。他にも、会社の報告会などはメタバース空間で行っています。

自社の開発した空間なのでテストも兼ねて行っていて、不具合があれば発見もできる一石二鳥の取り組みです。また、弊社のメタバース空間は大人数が入れるように作ってあるので、全社員が入っても問題ありません。


今後の目標と高知県への期待

Q:今後の事業目標についてお聞かせください。

A:メタバースは多くの可能性を秘めており、これから確実に拡大を続けていきます。高知県で最先端技術を学びながら、エンタメと社会の未来を一緒に創っていってくれる仲間を増やしていきたいです。

また今年も、高知デジタルカレッジ内で、ゲームプログラマ講座やLive2Dのデザイン講座を開催する予定です。県の方のサポートがあり、学生の方も気軽に参加できるような料金で行っています。

講座を開催することで若いうちからプログラミングなどに興味を持ってもらえる方も増やしていきたいです。


高知に進出したい企業様へ

Q:地方進出を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。

A:人材と拠点さえ確保できれば、仕事に集中して、オフは美味しい食事と豊かな自然環境に癒され、よりもっと仕事に集中できる、働くにはとても良い環境です。また人材についても、しっかりと行政からサポートいただいていると常々思っています。

都市部と比べて個人のスキルが足りないと感じたことはないですし、社内でも期待できる方に入社いただいています。学生の方のインターンを受け入れたこともあるのですが、能力の高い方が多いと感じました。

また、IT系企業であれば遠隔での連携も問題無いので、ぜひ進出を検討してみてください。


まとめ

企業誘致に取り組む高知県への進出について、理由やメリット、今後の課題などをmonoAI technology株式会社様に伺いました。

もともと高知との縁もあって、進出を決められたとのこと。高知デジタルカレッジを盛り上げる講師メンバーとしても、ご活躍頂いております。

monoAI technology株式会社様、ありがとうございました!

<企業情報>
monoAI technology株式会社

(2023年2月10日 投稿)

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